「ホームレス」と「ハウスレス」はちがう

「このために」と思える自分の役割がないように感じたり、「この人のために」という他者がいなかったりする。いくら経済的な支援を行っても、人との絆、社会とのつながりが切れてしまっているために、生活を立て直すことが再び困難になってしまう事例が多くありました。

だからこそ抱樸(ほうぼく)は、「ホームレス(社会的孤立)」と「ハウスレス(経済的困窮)」の問題を分けて考えています。ハウスレスの人には「この人には何が必要か?」を考え、ホームレスの人には、「この人には誰が必要か?」を考えます。

保証人を提供し、アパートへの入居が完了しても、私たちの活動は終わりではありません。社会との関係性をつくりつづけ、いつでも「助けて」と言える他者でありつづける。経済的困窮と社会的孤立に同時に取り組む支援の仕組みをつくっています。

NPO法人の創立から30年余が経過し、路上に見られた困窮の風景は今、社会全体に広がりました。貧困、格差、そして孤立はもはや常態化しています。もし、いざと言うときに頼れる人が誰も思い浮かばなかったら、あなたも「家のあるホームレス」かもしれません。私たちはそんな社会をどうしても変えたい。北九州から日本中に、誰も孤立しない社会を広げます。